インボーロン
基軸通貨

基軸通貨

昔から終末予言のように金融恐慌論を唱え続ける人々がいます。政府の債務が膨張し続けているので、いつか限界を迎えるという話です。しかし、膨張し続けているのですから、いくらでも膨張できるのではないでしょうか。宇宙は無限に膨張しているんでしょ? 子や孫の代に借金を残してはいけないと言いますが、子や孫がさらに借金を増やしてその子や孫に引き継げばよいことで、それを伝統文化にすればよいのかもしれません。
いったいなぜ政府債務の膨張が限界を迎えるのか、明確な説明をする人を私は見たことがありません。ただただ「いつまでも膨張できるわけではない」という一点張りです。GDPの何倍になってるから限界とか、ただの観念論でしょう。「なぜ」がわからないと「いつ」破綻するかもわからないでしょう。

それを理解するためのキーワードが「基軸通貨」です。
基軸通貨とは何か?
世界で最も信用され、広く流通し、国際決済で使用される通貨だと説明されます。
いや、そういう話じゃなくて。
なんで米ドルが世界各国の準備通貨として保有され、国際決済に使われているのか?っていうことを説明しないと意味ないでしょ。
経済の専門家には、その本質は、わからないみたいです。
その根源は経済ではないからです。
どうして米ドルの発行者であるFRBが世界で最も信用されているのか?
信用の起源はどこにある?

米ドルは究極的には米軍の軍票なのです。
暴力団のツケみたいなものです。
たとえば、ある人がうどん屋を経営していたとしましょう。そこに地元の有力なヤクザがやってきて、うどんを食べました。会計になったら、「今お金がないので、これでも受け取ってくれ」と言って、「800円の借り」と署名付きでメモ用紙に書いて置いていきました。後日、そのメモ用紙を暴力団の事務所に持っていったら800円くれるかなと期待していたのですが、「ついこの前のことなんやけど、もう日本円に交換するのはやめたんで」と見事に断られました(ドルで言えば金本位制から離脱に相当)。その代わり、「そのメモ用紙で小麦粉を仕入れればいいじゃねーか」と言うのです。「もし粉屋がそのメモ書きで小麦を売らねえって言うんなら、そんときは相談してくれや。いったい誰のおかげで生きていけるんか教えたるで」と心強い保証をしてくれました。それに勇気づけられたうどん屋は粉屋に行き、メモ書きの金額で小麦を買うことができました。こうしてその地域では暴力団のメモ書きが通貨として流通するようになりました。
このように信用の起源は「暴力」にあります。
米国の軍事力が世界一だと認識されているうちは米ドルの信用はなくなりません。米軍のプレゼンスが世界に認知されている限り、米国は無限に政府債務を増やすことができるのです。

しかし、そんなことをするとインフレになって、物の値段がどんどん上がり(通貨の価値はどんどん下落して)、信用を失うのではないかと思われるでしょう。ところがそんなことは全然ないことが、特に近年の日本では顕著ですが、経済の実態を見ると明らかになってきました。金融緩和してジャブジャブにお金を供給しても、まったくインフレになりません。今やもう、無茶苦茶なことをしてるわけです。本当は日銀は国債を買ってはいけないことになっていたのに(それがわざわざ政府から独立した機関として中央銀行を設置する理由なわけですが)、その制約も事実上なくなり、今や株式まで買って(つまり、民間企業を国有化して)株価を維持しているわけです。それで株価と債券価格は確かに上昇しましたが、物価はまったく上がりませんでした。今頃ようやくインフレになってきましたが、これは自然に経済が活発になってインフレになったのではなく、意図的に人為的に無理矢理にインフレにしているだけです。地球温暖化とか変な理由をつけて原油の産出量をしぼったり、戦争を起こして貿易を止めたり、コロナを理由に物流を止めたり、給付金を出して仕事させないようにしたりして、生産量・供給量を絞れば品薄になります。そして、経済の大原則である需要と供給の法則が発動し、インフレになるのは当たり前です。

今まで貨幣供給量を増やしてもインフレにならなかったのはなぜか?
すごく単純な話で、二つ理由があります。
一つ目は、増やしたお金が富裕層や大企業に貯まっただけだからです。
政府の債務が増えた分、富裕層の貯蓄が増えただけです。
貧困層や一般層は、むしろ貯蓄を減らしている人も多く、消費の増加につながりません。
政府債務=富裕層貯蓄というバランスシートの借り方・貸し方を両方膨らませる構造である限り、いくら貨幣供給を増やしても、増えたお金は富裕層の資産(国債=政府の債務に投資)として滞留するだけです。消費に向かわないのでインフレになりません。また、この仕組みからすれば無限に膨張可能なこともわかります。
もう一つの理由は、技術の発達により、現代の世界は常に生産過剰傾向にあることです。モノが大量に効率的に生産できてしまうから、常に供給過剰になるのです。それでいろいろキャンペーンをして値引きをしたり、セールスを頑張ったりしなければ、モノが売れない時代になっており、私のようにちまちまとポイントを稼ぐだけでもけっこう買い物できたりするわけです。インフレになるようなときは、スーパーの棚が空になるような状態で、いくらお金を出してもモノがないから買えないようになります。それも生活必需品が不足するのです。ぜいたく品をわざわざ値段が高いときに買いたがる人はいません。ガソリンとか食べ物のように、値段が高くても、いま買わざるをえない必需品だから買うわけで、そのときに初めてインフレが発生します。そんな状態が日本で発生するのを、災害でもないのに想像できるでしょうか。世界の物流が順調に機能し、資源が流れ、人が動き、製品が流れる限り、世界にモノはあふれ、デフレ圧力になります。物流と生産活動を意図的にストップさせない限り、インフレにはなりようがないのです。唯一、資源の枯渇がインフレ要因として考えられますが、石油資源の枯渇も嘘だったことがバレました。
もちろん、世界には生活水準が低い人々、生活必需品すら十分に手に入らない人々もいます。もしも増やしたお金が、そうした世界の貧困層に広く行き届くのであれば、貨幣供給量の増加がインフレの原因になることはありえます。貧困層が生活水準を上げていき、エネルギー資源や食糧の奪い合いになるからです。それこそが健全な経済の成長でもあります。
しかし、実態は、増やしたお金は一部の人々に集中します。コロナ対策のマスク配布にしても給付金の支給にしても、すぐにそうした政府事業の利権をあさりにくる固定メンバーがいるわけです。すでに金持ちの人々にお金が行っても、数字が増えてよろこぶだけ(余談ですが、これがデジタル化=数字化の本質です)で、消費につながりません。たとえば、いくら食費にお金をかけるといっても、しょせんは草のタネしか食べませんから、たいした金額にはなりません。どうしてお金持ちになっても草のタネを食べ続けるのか、私には理解できないのですが、実際そうみたいです。精神を鍛練するためでしょうか。
というわけで、このような資産集中・格差拡大社会において、インフレにしたければ、今のように人為的に発生させるしかないのです。1970年代にもオイルショックなど人為的な操作により石油と草のタネの価格を上昇させました。当時のボルカーFRB議長はそれを過剰な賃上げ要求をした労働者のせいにして「インフレファイター」として歴史に名を残しました。+10%の利上げ攻撃でインフレファイターが圧勝した結果、アメリカは不況に陥りました。(参照 Fed Inflation Lies, Russia Sanctions and a New World Order By F. William Engdahl
そのボルカーを尊敬している今のパウエルFRB議長も人為的に発生させたインフレを「景気の過熱」とわざと勘違いして、利上げしようとしています。日銀は今のところ利上げしない方針を明確にしていますが、それは①インフレ目標の達成には円安が都合がよいこと(米国が利上げする一方で、日本が金利を据え置くことで、日米金利差が拡大し、ドルが買われ、円が安くなる)に加え、②利上げ=国の利払い増で財政悪化と格付け会社に評価され、格下げにより金利がコントロール不能に上昇(=国債価格が暴落)し、莫大な国債を保有している金融機関が破綻し、金融恐慌のみならず国家破産になるからです。
しかし、これから米国がどんどん金利を上げていき、1980年代の再来とすれば、ドルの金利はリボ払い並みの15%もありえますので、それに1年ぐらい遅れて追いかけるかたちで日本も利上げしていくでしょう。もともと金融恐慌を発生させるのはグレートリセット計画に沿っており、本当に阻止したいわけではないからです。今はとにかく原油や食料など必需品の輸入価格を上昇させ、老人ばかりで消費意欲も落ちている日本を無理矢理にでもインフレにしたいので、円安に誘導したいのです。老人になると食欲をはじめあまり欲望がなくなるので、人口あたりの消費が減るんですよね。

さて、本題に戻りますが、政府の債務と言っても、基軸通貨ドルを発行できる米国とその他の国ではぜんぜん意味が違います。基軸通貨を持たない国は、基本的には、企業や個人と同じで、収支(貿易収支)が赤字になったときに、債務の膨張が許されなくなります。基本的には、です。それを許すか否かは、基軸通貨を持つ覇権国が決めます。赤字であっても将来性が見込める国であれば融資してくれますし、成長の見込みがないと判断されれば破綻処理になります。貿易収支が赤字に転じた(=高齢化して生産より消費が多い=奴隷として役に立たない)日本をいつ破綻させるかは現状では米国に(将来的には中国に)決定権があります。昔、日米貿易摩擦問題といって、日本が貿易黒字を出し続けているから米国が怒って日本に圧力をかけているようなイメージがありました。日本の電気製品をたたき壊すパフォーマンスが印象的でした。しかし、あれは日本製品に負けている米国の産業向けのパフォーマンスにすぎず、本音でいえば、貿易黒字だからこそ、日本は優秀な奴隷だったのです。だって、米ドルという紙きれ(数字)と引き換えに高性能な自動車とか電気製品を作って送ってくれるんだから、可愛いじゃない?
今の世界で唯一、自由に無限に債務を膨張させる特権を持っているのは、基軸通貨を持つ米国です。だから、自分とこのビッグバン的な天文学的な規模の政府債務(わざと統計をわからなくしてあり、正確な規模は専門家でもわからないらしい)を棚上げして、日本に財政規律を要求してきます。「お前が言うな」と言いたいけど、米国は基軸通貨を持っているので、根本的に違うのです。

政府債務を膨張させるのは基軸通貨国の特権です。世界最強の暴力団にだけ許される特権なのです。世界を圧倒的な暴力で支配できている限り、無限に政府債務を膨張させることが可能です。そういう意味でのみMMTは正しい、というか都合がよいのです。
しかし、日本がそれと同じことをできると思ったら、大いなる勘違いです。あくまで基軸通貨国であるアメリカが許す範囲でしか政府債務を膨張させることはできません。それ以上やると、力を見せつけられますよ。飛行機を墜落させたり、地震を起こしたり、原発を爆破したり、停電させたり、なんでもできちゃう実力の違いを見せつけられます。米国が日本に財政均衡を要求するのは、「身の程をわきまえろ」と言うのを丁寧に表現しているだけです。基軸通貨国でもないのに、自由に通貨を発行できると思うなよ、という意味です。
さきほどのうどん屋の喩えで考えてみればわかることです。ツケでうどんを食べられるのは、そのヤクザが暴力団の組員だからです。日本もアメリカの指示に従い、役割を果たしている限りは、ある程度の身の程に応じた通貨発行の権利を許されます。しかし、ただの一般人が自分で書いた数字で買い物ができるわけがありません。
日本でもMMTをやればいいと簡単に言う人がいます。理論的には正しいのかもしれませんが、それをアメリカが許すわけがないという基本を理解していません。
いずれにしても、信用とは暴力のことなのです。悲しいことに、それが恐怖が支配するこの監獄惑星・地球の人類の精神レベルから必然的に導かれる政治経済システムです。少数の支配者たちのせいではありません。みんな悪いのよ。ウクライナのモロナチを見れば、いかに一般人が邪悪で残酷になれるかわかりますよね。

基軸通貨とは世界最強の暴力団が発行する通貨のことです。ということは、米ドルが信用を失い、基軸通貨の地位を失うのは、軍事バランスにおいて米国より中露ユーラシア同盟のほうが強いことが世界の人々に認識されたときです(現時点ですでにその事実は発生していますが、まだメディアが報道しないので多くの人に認識されていません。認識されないと信用につながりません)。そのとき、米国は無限に政府債務を膨張できる権利を失うことになります。すなわち、米国債の破綻(金利のスカイロケット)、ドルの崩壊です。ドルは紙くずになります。これから数年でその瞬間を迎えるのだろうと思います。
そのとき、日本円は紙くず以下になります。うまく中国にすり寄ることができたら、話は違ってくるかもしれません。いかに円滑にアメリカの属国から中国の属国に移行できるか、今ほど日本の外交手腕が問われる時代はありませんが、日本の政治家は信じられないほど無能な人々が揃ってます。でも、コロナ対策でも政治家の無能さによって救われましたから、それが逆に良い結果につながるのかもしれません。
人事を尽くして天命を待つ、他人も政治も変えることはできませんから、自分にできることをするしかありません。

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